タイル サムライジュピター
メーカー名 MOSAIC
ジャンル 痛快SF冒険活劇AVG
発売日 2005/3/4
定価 \8,800
CPU PentiumII300MHz以上
対応OS Windows:XP
メモリ :128MB以上
HDD 700MB以上
原画 黒木雅弘
シナリオ MOSAIC ねびにらる
プレイ時間 5〜7時間くらい
プレイ後感想 作りかけのゲームみたい……
お気に入りの女の子 なし

■ストーリー
50点

久しぶりに生まれ育った街に帰ってきた睦月隆司は、日本刀を持ち、セクシー衣装に身を包んだ隻眼の侍美少女・ジュピターと出会った。彼女は、人間ではなく「ヒトガタ」と呼ばれる人口生命体で、異世界からやってきたという。彼女を追ってきた「回収屋」と呼ばれる敵を撃退するため、ジュピターが応じるままにエンゲージ(=契約)の儀式を交わした隆司は、否応もなく過酷な戦いの日々に身を投じることに…。

<以上、ダウンロード販売サイトの紹介文より引用>

上記の文章を読んで、「なるほど」と思い、ダウンロード購入して、さっそくプレイ開始。
出張先のアメリカのホテルでエロゲーをプレイするなんて、我ながら、ちょっとシュールな光景だなと思いつつ、ゲームを進めます。

……ん?
…………んん!
………………んんんん?!

ゲームをしながら、思わず、うなってしまいました。ストーリーが理解できないのです。
とは言っても、完全に理解不能なわけではありません。
個々の場面は理解できるし、それなりに面白いのです。ジュピターの凛々しさに胸を打たれ、健気なはるるに萌え、疎遠になった幼なじみの理香子との距離に焦れったくなりました。
ですが、場面が唐突に変わったり、キャラクターがおよそ“らしくない”行動を取ったりと、ゲームを進めていくうち、疑問や不審に思う点がどんどん増えていくのです。
もしかして酒を飲みながらプレイしているせいで、俺の読解力が落ちているのかと疑い、下記のように疑問に思った点をメモに記しました。

・どうして隆司はおよそ非現実的なジュピターやはるるの存在を、あんなに“あっさり”受け入れたのでしょうか?(普通もっとびっくりしたり、驚いたりするのではないでしょうか?)
・どうして隆司やジュピターはるるは、敵であるハズのリゲルを、あんなに“あっさり”受け入れたのでしょうか?(はるるはともかく、これまで敵と幾多の戦いを重ねてきたハズのジュピターまで、敵であるリゲルのことを簡単に信じるのは……いかがなものでしょうか?)
・夜に敵とバトルして、まだ決着が付いていないのに、翌朝になると、バトルなんてなかったかのように呑気に食事。もちろん、食事中に昨夜のバトルのことは話題に上がらない。そして、また夜になると、バトル再開。……さすがに気持ちの切り替えが激しすぎる気がします。
・どうしていきなりはるるとリゲルが、ジュピターの脇の下を舐め始めるの? 前後のストーリーと全然関係なく、いきなりこのHシーンが挿入されたので、思わず酒を吹き出しそうになりました。

もっとゲームを進めていけば、上記の疑問点も解消されるかもしれないと思い、俺はゲームを進めました。
そして、やがてエンディングに到達しましたが、結局、俺の頭に浮かんだ疑問の数々はほとんどが解けないままでした……。


■グラフィック

75点

原画を描いているのは、「魔法少女アイ」と同じ原画家さんです。
萌えゲー風の絵柄ではないですし、流行の絵柄でもないですが、一種独特な、魅力的な絵を描かれる方です。
俺は絵のことは門外漢なのですが、決して上手い絵ではないと思います(汗)。
……ですが、淫猥な雰囲気を感じさせる絵で、ストーリーと相まって、ジュピターが敵役に犯されるシーンでは、ゾクゾクするような色気を感じさせます。
一昔前のゲームで、CGのクオリティも古くさいですが、原画の魅力のおかげで、今でもそれなりに使用に耐えます。


■システム

50点

フォントのせいなのか、文字の色のせいなのか、とにかく文字に見にくいです(汗)。テキスト主体のAVGで、文字が見にくいのは致命的ではないでしょうか?
一応、コンフィグ画面で、フォントの種類や、フォントに影を付けるか否かを選択できるのですが、あれこれ設定を試してみても、結局、文字の見にくさは改善されることはなく……。
画面サイズが640×480と今となっては小さいことも相まって、(フルスクリーンではなく)ウインドウ状態でしばらくプレイしていると、目がショボショボしてきます。……け、決して老眼になったわけじゃないですよ!?


■サウンド

90点

OP曲(タイトル画面で流れるボーカル曲)が、ゲームの雰囲気に合っていて、とても良いです。
悲しげ、清らかで、それでいて、女性の芯の強さを感じさせます。
このOP曲だけが目当てで、サウンドトラックが欲しいな……と思いました。


■総合

65点

絵や楽曲もクオリティも高いし、ストーリーも個々の場面を見ると、それなりに読ませる出来です。
jけれど、ストーリーの全体的な構造が、どうしようもなく破綻しています。首尾一貫していないというか、上記の「ストーリー」の項で述べたとおり、つじつまが合わなかったり、ストーリー展開が唐突だったり、伏線が未回収だったりと……はっきり言って、支離滅裂です。制作者がもうちょっと時間をかけて作り込んでくれたら、もっと良い作品になったのではないかと思います。設定やキャラクターが良いだけに、もったいない作品ですね。


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